Monday, July 3, 2017

Acil 。



岩手で、これから先の持続すべくカルチャーを伝え広げようと、自費出版のZINEを創作されている、 Acil さん へ、コラム的な表現をさせていただいております。

もう3回目くらいの寄稿になるのかぁ。
何やってもいいって言ってくれるもんで、自由奔放野比のび太で、綴っております。

紙の香ばしさと、インクの匂いがたまらなく好きなもんで、
このご時世、ひょっとしたら画面に全てを失われつつある五感、第六感。
ページをめくる触感にワクワクする、そんな機会を頂戴したAcilさんへ感謝多謝。

下記取り扱い店で、最新号(近日発売!)バックナンバーをご覧&ご購入いただけます。
是非下記取扱店様へ足をお運びください。


「Acil」お取り扱い店舗※随時更新
【盛岡】
ちいさな野菜畑
kasi-friendly
道具屋
もりおか歴史文化館
さわや書店本店
つながる台所Tane
いわてヒューマンギャラリー
おやさい食堂カラコマ
Cafe302
【花巻】
おいものせなか
5th SEASON
【奥州・金ヶ崎】
松田書店
地粉の店 やどり木
【大槌】
ベルガーディア鯨山(8号)
※ベルガーディアさんでの販売は限定数に達したため終了致しました。
ご購入頂き、ありがとうございました。
【茨城】
PEOPLE BOOKSTORE
【東京】
模索舎
【長野】
栞日 sioribi
見本誌 設置協力店
マナ自然食
フキデチョウ文庫(貸本)
れむり庵(Acil2を除く)
SoiL(6号~)
Connected←Connect(6号~)
Citta
Legame dall'orto レガーメ ダ オルト
ソールブランチ新丁
◆この他県内外の図書館にも寄贈させて頂いております。







一番最初に寄稿した話し。
友との会話を生々と基にした話し。
世界はなんて美しいのだろう。


最近思ったことがあって
月をさ
月を見に行ってたんだよね
満月前の数日間
で、
俺のシークレットスポットがあって
そこはバーンと目の前が開けてて
遠くまで見えて
丸太が転がってて
そこに座ると
月が
真ん前にあるんだよねー
月が
そんで改めて
月が肉眼で見えるっていうことの凄さ
メルヘンさ
ファンタジーさをさ
感じて
周りは人の家も電灯すらなくて
夜の森で
虫の音が響いてて
自然の中に一人だけ自分がいるっていう感じで
その時に
自分は自然に属しているって感じたんだよね
実感したの
その感覚は人間の世界とはスケールが違うから
もっとおっきくて
強くて
そして間違いないものなんだよね
だから
んー
例えば学校でいじめに合ってるとか
仕事がうまくいかないとか
なんでも良いけど
人間の社会の中で何かうまくいかなかったり
孤独を感じていたり
した時に
自分は確実にもっと大きな世界に属しているっていう感覚を持っていることは
すごい助けになる
力になると思うんだよねー
うん
そういう感じ
そういう感じ
ちゃお!

なんとまぁロマンティックなんだろう。
そして、そうそう!それそれ、そんな感じ!
散歩しながらオイラもちょうど昔読んだ話しを思い出していたんだ。

空間はひとつのつながりとして我々に掲示されている。
時間は少しずつ我々に近づいてくる。
未来は隠されているようであるし、過去は記憶とその助けとなる物を通じてかすかに観る事が出来るが、
現在だけは直線に見える。
我々はずっと昔に起きたことの影を見ている。
夜空の爆発している星を見上げ、それが実際には10億年も前に起きたものであり、ずっと昔に消滅したものを見ているということを知るようなものである。
遠い過去を現在に起きている事として目撃している。

神話の時代から続く、暮らしの中で発生したシャーマニズム、アニミズムといった感覚的な自然との対話や共存が失われてしまった昨今。
縦に流れる過情報の渦を追いかけるのに瀬一杯で(スウィートなトロケるような「疑似体験」に興じる事ができる、外部機器が新しい神話となりえるのか?)、何だかすべてが子どもの頃に読んだ懐かしい物語の中を泳いでいるようだ。
今こそ身体センサーを研ぎ澄ませ。
人間なんか知らない、澄んだゼリーの様な波は、今この瞬間も生まれている。
まる裸で泳ぎだそう。

すべては飾らない単純な優しさで、この宇宙はあるんだと思えた、あの日届いた友からのメッセージ。
本当のスウィートなトロケるような「実体験」に包まれた煌びやかな明星を眺めたあの日。

否否、実はそんなに大それた話なんかではなくて。
それは、生きとし生けるもの全てのすぐ側でいつも起こっている。


Heg. / 金野大介