「賓主歴然」と「賓主互換」。
亭主がお茶を点てるということは、単にお茶を出すだけではなくて、自分の大切な器を預けるに値する相手だと認めることで客をもてなす。
逆に、客の側は、その信頼に精一杯こたえることで、亭主をもてなす。
お茶ではこれを「賓主歴然(ひんしゅれきねん)」と「賓主互換」という。
亭主と客というのは厳然としてわかれているけれど、ときに互いの立場が入れ替わる瞬間がある、という意味。
亭主が客となり、客が亭主となる。そういう瞬間の繰り返し、行ったり来たりするのがお茶の醍醐味。
【もしも利休があなたを招いたら 千宗屋 著】より参考・引用
「一座建立」「一期一会」。
これを衣服に置き換え、又と無い「今」に五感を総動員させ、細胞の肌理を合わせて互いに共振する。
このかた、感動とはそこから生まれると信じ邁進してきた。
それでも潮時はあるやも知れない。
だからこそ、今まで以上に肌理細やかで丁寧で緻密に。
それでも潮時はあるやも知れない。
それは、決して後ろめたいことではない、大いに迎えよう。
そして新しい潮流に祝福を。