11.14 。
滑ったり転んだりすることはできるでしょう。
しかしそれだけでは踊りをやっている上において成立しないけれども、滑ったり転んだりしながら、やっぱり命を抱え込みながら、極限の状態に、事柄に触れる場合があるだろうと思う。
そういう場合に、自分の心のなかにしまっておけばいいようなもんだけども、しまっておけないわけですよ。それはいったい伝えるべきなのか、あるいは死んでまでずうっと持ってどっかへいってしまうべきものなのかと。
私はやはりそれは伝えるべきそのものだと思う。
大野一雄「稽古の言葉」